不思議ちゃん、ジョイ子

ジョイは11月4日生まれ。さそり座の女です。
2歳を過ぎ、被毛も飾り毛ものびて、きれいなゴルになりました。チャームポイントは、耳の毛がぽよぽよしていて、長いこと。

そのジョイが、ちょうど2歳を過ぎたあたりから、不思議な行動を取るようになりました。どんな行動かというと――私は昼間はいつも、リビングで仕事をしています。それまでは、ジョイはまったく無関心で、玄関のタタキとか、あちこちで寝そべっていました。それが、私がノートパソコンに向かうと、ぶらりとやってきて、足元で眠るようになったのです。
3年前の盛夏に逝った、亡き愛犬シータとまったく同じように。

シータがいつも、仕事をしている私のそばにいてくれるので、私は「守護神」と呼んでいました。今では、ジョイが「守護神」に。

それだけではありません。トシを取ってから、私は夜は仕事をしません。一晩徹夜などしようものなら、そのあと三日間は再起不能になるから。
でも、書きかけの原稿が気になって、いったんもぐり込んだベッドから起き出して、またリビングの明かりをつけて推敲することも、たまにあります。そんな時、ジョイは眠そうな、ぼーっとした顔でやってきて、リビングのソファで丸くなります。
これがとっても不思議なのです。なぜって、ふだんはジョイは決してソファで寝ない。ソファに上がるのは、おもちゃでちょっと遊ぶ時くらい。そして、その三人掛けのソファは、シータが大好きだった場所……。

1時間か2時間かして、私がノートパソコンを閉じ、「お母さん、もう寝るよ。ジョイもパパのお布団にいきなさい」と声をかけると、またぼーっとした顔で、本来の寝場所=夫のサブちゃんの部屋へ行きます。まるで、お役目を終えて、持ち場を離れるみたい。

不思議はまだあります。これはジョイが我が家に来てすぐに気がついたことなのですが、シータが好んで寝そべっていた場所には、ジョイは決して行かないのです。
お姉ちゃんに遠慮しているのかな? それとも、ジョイにはシータの姿が見えるのかな? 今でも、ソファなどで「ヘソ天」しているシータお姉ちゃんの姿が。

そういえばシータも時々、じいっと、なんにもない壁のほうを見つめていたことがあったっけ。
もしかしたら、人間には見えない存在を、わんたちには見えているのかもです。

画像は「お役目中」のジョイ。