遺品整理

兄とともに、亡父・亡母の遺品整理を続けています。

こんなものが!と、思うような品が出てきたり、5月末に世を去った母が忍ばれる品が出てきたり。
*私が7歳の頃から、一段一段、増やしていった雛人形。全部で八段ありました。母が防虫剤を入れておいてくれたおかげか、保存状態も良好なり。

*私が「ええっ!」とのけぞった手鏡。
重い小児喘息で、寝たきりだった私は茶の間にあるテレビを観ることができなかった。なぜなら、布団の位置からすると、身体の左側を下にしなければ、茶の間のほうを向けなかったから。
心臓を下にすると、苦しいのです。
そうしたら、母が、この鈴蘭の木彫りの手鏡を渡してくれて、
「これにテレビを映して観なさい」と。

この手鏡に映った「ターザン」などを、私は観ていたのです。茶の間に背を向けて、布団に横たわったまま。
まさか、この手鏡を母が取っておいたなんて!

憲法学者である父・佐藤功が勲二等?紫綬褒章?をいただいた時の記念写真。
2人そろって皇居へ行った折のもので、母が着ているこの着物も桐のタンスの引き出しに眠っていました。

私がこうして、このトシまで元気でこられたのは、手厚い母の看病があったからこそです。そして、精神的には、私は書斎で原稿を書く父の背中を見て、育ちました。
父よ、母よ、ありがとうございました。